考えないようにすると、もっと考えてしまう理由|シロクマ効果と思考抑制の心理構造

自己理解

Kazuma式 対話相談室は、創設者Kazumaの実体験をもとに、恋愛・人間関係・孤独・自己肯定感といった”言葉にできない想い”を共に掘り起こす場だ。

【この記事の結論】
思考を止めようとしなくていい。「今、考えてるな」と認めるだけで、脳の監視は止まる。それが”考えないようにする努力”から抜け出す第一歩だ。思考を”止める”より、“流す”。無理に抑えるより、“眺める”ことで静まる。


「考えないように」と思うほど、頭の中がうるさくなる

「考えないようにしよう」と思ったことはないか?

「忘れよう」

「気にしないようにしよう」

「もう考えないようにしよう」

だが、そう思うほど、頭の中がその言葉でいっぱいになる。

「考えないように」と思うほど、余計に考えてしまう。

これは、意志が弱いからではない。

心の”仕組み”なんだ。

心理学では、この現象を「思考抑制の逆説的効果(Ironic Process Theory)」と呼ぶ。思考を抑えようとするほど、脳はその思考を監視し続ける。結果、かえってその思考が強化される。「考えないように」と思うほど、考えてしまう。これは、心の構造として自然なことだ。

誰もが経験するこの”逆説”の仕組みを紐解く。

本記事では、考えないようにすると、もっと考えてしまう理由、シロクマ効果と思考抑制の心理構造を掘り起こす。答えは出さない。ただ、君が「思考を止めようとする努力」から抜け出すきっかけを持てるように。

もし、君が「考えすぎてしまう」「思考が止まらない」と感じているなら、Kazuma式が扱う4大属性(恋愛・人間関係・孤独・自己肯定感)の中でも、特に自己理解の領域を深く掘り下げる必要がある。Kazuma式 対話相談室 総合ページで、君の悩みに合わせた記事を探してほしい。


「思考抑制」は脳が”監視”している状態

「考えないようにしよう」

この指令を出した時、脳は何をしているのか?

「考えないように」と指令を出すと、脳は監視を始める

「考えないように」と指令を出すと、脳は監視を始める。

  • 「考えていないか」を確認する
  • 「まだ考えているのではないか」を監視する

脳は、「考えていないか」を監視し続ける。

監視するためには、その対象を”思い浮かべる”必要がある

監視するためには、その対象を”思い浮かべる”必要がある。

  • 「考えていないか」を確認するために、その思考を思い浮かべる
  • 「まだ考えているのではないか」を監視するために、その思考を確認する

監視することで、逆にその思考が強化される。

シロクマ効果:「考えないで」と言われると、かえって考えてしまう

この心理現象は”シロクマ効果”と呼ばれている。

「白いシロクマのことは考えないで」と言われると、かえって思い浮かべてしまうあの仕組みだ。

思考を押さえつけるほど、脳は「考えていないか」を監視してしまう。

「考えないように」と思うほど、考えてしまう。

抑える努力が、逆に思考を強化する

抑える努力が、逆に思考を強化する。

  • 「忘れよう」→ かえって思い出す
  • 「気にしないようにしよう」→ かえって気になる
  • 「考えないようにしよう」→ かえって考えてしまう

抑える努力が、逆効果になる。


恋愛・人生文脈への応用:「忘れようとする恋」「考えないようにする不安」

「考えないようにする」

この構造は、恋愛や人生の中でも起きる。

「もう忘れよう」と思うほど、相手の存在が脳内に居座る

恋愛でも同じだ。

「もう忘れよう」と言い聞かせるほど、相手の存在が脳内に居座る。

それは、感情が「まだ大切だ」と叫んでいる証拠でもある。

「忘れよう」とするほど、忘れられない。

「忘れられない人」がいる理由|未完了の感情と記憶の心理構造で解説したように、忘れようとするほど、記憶が強化される。

「忘れよう」という努力が、逆効果になる。

「考えないようにする不安」が、かえって不安を増幅させる

「考えないようにする不安」が、かえって不安を増幅させる。

  • 「不安を感じないようにしよう」→ かえって不安が増す
  • 「心配しないようにしよう」→ かえって心配になる

不安を抑える努力が、不安を増幅させる。

「気にしないようにする」が、かえって気になる

「気にしないようにする」が、かえって気になる。

  • 「気にしないようにしよう」→ かえって気になる
  • 「どうでもいいと思おう」→ かえって気になる

気にしないようにする努力が、逆効果になる。

“抑える努力”が、かえって苦しみを生む

“抑える努力”が、かえって苦しみを生む。

  • 思考を抑える
  • 感情を抑える
  • 不安を抑える

抑える努力が、苦しみを生む。


思考を”止める”より、“流す”

「考えないようにする」

この努力から抜け出すには、どうすればいいのか?

思考を止めようとしなくていい

思考を止めようとしなくていい。

  • 「考えないようにしよう」と思わなくていい
  • 「忘れよう」と思わなくていい
  • 「気にしないようにしよう」と思わなくていい

思考を止めようとする努力を、やめろ。

「今、考えてるな」と認めるだけで、脳の監視は止まる

「今、考えてるな」と認めるだけで、脳の監視は止まる。

  • 「今、考えている」と認める
  • 「今、不安を感じている」と認める
  • 「今、気になっている」と認める

認めることで、脳の監視が止まる。

無理に抑えるより、“眺める”ことで静まる

無理に抑えるより、“眺める”ことで静まる。

  • 思考を眺める
  • 感情を眺める
  • 不安を眺める

眺めることで、思考は静まる。

「わかってもらえない」が続く時、人は何を求めているのかで解説したように、感情を認めることが、心を整理する第一歩だ。

思考も、同じだ。

思考を認めることで、思考は静まる。

思考を”流す”練習

思考を”流す”練習をしろ。

  • 思考が浮かんできたら、「今、考えてるな」と認める
  • 無理に止めようとせず、眺める
  • 思考が流れていくのを待つ

思考を流す練習が、“考えないようにする努力”から抜け出す方法だ。


思考を流す3ステップ

思考を流すには、3つのステップが必要だ。

ステップ1:「今、考えてるな」と認める

まず、「今、考えてるな」と認める。

  • 「今、考えている」
  • 「今、不安を感じている」
  • 「今、気になっている」

認めることが、第一歩だ。

ステップ2:無理に止めようとせず、眺める

次に、無理に止めようとせず、眺める。

  • 思考を眺める
  • 感情を眺める
  • 不安を眺める

眺めることで、距離ができる。

ステップ3:思考が流れていくのを待つ

最後に、思考が流れていくのを待つ。

  • 思考は、必ず流れていく
  • 無理に止めようとしなければ、自然に流れていく

思考が流れていくのを待つことが、思考を流す方法だ。


俺も、「考えないようにしよう」と過ごしていた時期がある。

俺は不安を抑えようとしていた。

「考えないようにしよう」

「気にしないようにしよう」

そう思い続けていた。

まだガキだったその時の俺は、嫌なことから逃げていた。

「俺がやらなきゃ」

周囲の期待に答えるのに必死だった。

だが、常にそう思うほど頭の中がうるさくなった。

俺は、思考を止めようとしていた。

しかし、それは逆効果だった。

俺は常に考えた。

ありとあらゆる想定をし、現実に起こり得ないような不測の事態にさえ備えた。

  • 「思考」を貼り巡らせる
  • 時に無理に止めようとせず、俯瞰して眺める
  • 思考が流れていくのを感じる

思考を止めないことで、頭の中がかえって静かになった。

そして、気づいた。

思考を止めるな。

常に自分の正しい選択を探すことで、心は静まる。

この「考えないほど考えてしまう構造」は、「忘れようとするほど苦しい」気持ちの裏側にも繋がっている。


「考えすぎてしまう」人のチェックリスト

□ 「考えないようにしよう」と思っている
□ 「忘れよう」と思うほど、思い出してしまう
□ 「気にしないようにしよう」と思うほど、気になる
□ 頭の中がうるさい
□ 思考が止まらない
□ 不安を抑えようとしている
□ 感情を抑えようとしている
□ 「考えていないか」を監視している
□ 思考を眺めることをしていない
□ 思考を認めることをしていない

3つ以上当てはまるなら、君は思考抑制の逆説的効果に陥っている可能性が高い。


よくある質問(FAQ)

Q. 「考えないようにしよう」と思うのは、ダメなこと?
A. ダメではない。ただ、逆効果になる。「考えないようにしよう」と思うほど、脳は監視を始める。結果、かえって考えてしまう。

Q. シロクマ効果とは何?
A. 「白いシロクマのことは考えないで」と言われると、かえって思い浮かべてしまう心理現象だ。思考を抑えようとするほど、その思考が強化される。

Q. 思考を流すのが難しい。
A. 難しいのは当然だ。だが、練習で少しずつできるようになる。「今、考えてるな」と認めることから始めろ。無理に止めようとせず、眺めろ。

Q. 不安を抑えようとするのは、良くない?
A. 抑えようとすると、逆効果になる。「今、不安を感じているな」と認めろ。認めることで、不安は静まる。

Q. 恋愛で「忘れよう」と思うほど、忘れられない。どうすればいい?
A. 「忘れよう」と思うのをやめろ。「今、思い出しているな」と認めろ。認めることで、記憶は少しずつ静まる。「忘れられない人」がいる理由|未完了の感情と記憶の心理構造も参考にしてほしい。

Q. 「気にしないようにしよう」と思ってしまう。
A. 「気にしないようにしよう」と思うのをやめろ。「今、気になっているな」と認めろ。認めることで、気にならなくなる。

Q. 思考を流すための具体的なトレーニングは?
A. 毎日、「今、考えてるな」と認める練習をしろ。思考が浮かんできたら、「今、これを考えている」と声に出すか、メモに書け。2週間続けることで、思考を流す力が少しずつ育つ。自己理解できない時に読む記事も参考にしてほしい。Kazuma式4大属性:自己理解で、自己理解について詳しく解説している。


まとめ

要点3つ

  1. 「思考抑制」は脳が”監視”している状態――「考えないように」と指令を出すと、脳は監視を始める。監視するためには、その対象を”思い浮かべる”必要がある。シロクマ効果:「考えないで」と言われると、かえって考えてしまう。抑える努力が、逆に思考を強化する。
  2. 恋愛・人生文脈への応用――「もう忘れよう」と思うほど、相手の存在が脳内に居座る。「考えないようにする不安」が、かえって不安を増幅させる。「気にしないようにする」が、かえって気になる。“抑える努力”が、かえって苦しみを生む。
  3. 思考を”止める”より、“流す”――思考を止めようとしなくていい。「今、考えてるな」と認めるだけで、脳の監視は止まる。無理に抑えるより、“眺める”ことで静まる。思考を”流す”練習をしろ。

次の一歩

今日から、「今、考えてるな」と認める練習をしろ。
思考が浮かんできたら、「今、これを考えている」と声に出すか、メモに書け。それが、“考えないようにする努力”から抜け出す第一歩だ。

思考を止めようとしなくていい。認めることで、思考は静まる。それが、心の仕組みだ。


まずは10分だけ、君の「考えすぎ」について一緒に考えよう。

考えすぎてしまう、思考が止まらない――そんな時は、10分だけ話そう。

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【著者情報】

Kazuma|Kazuma式 全方位型対話相談室 創設者
恋愛・人間関係・孤独・自己肯定感という「Kazuma式4大属性」を軸に、人が抱える”言葉にならない想い”を共に掘り起こす対話を続けている。記事はすべてKazuma自身の体験・相談事例をもとに執筆。深夜帯に動く読者の「名前のない痛み」に寄り添い、心を整理するための視点を届けている。


【免責事項】

本記事はKazumaの実体験・相談事例をもとにした一般的な見解です。医学的・法律的アドバイスを目的とするものではありません。深刻な心理的問題や法律的問題については、専門家への相談をおすすめします。

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